ちょっと思い出話をしたくなって記事を書かせていただきます。主にFF14の話になり、技術的な話は最小限にしたいと思います。
「言語を超える力」というアプリを知らない人のために話しますと、FF14というゲームの文字を機械学習・物体認識で英数字に変換するアプリです。その開発をしています。その思い出話を少しさせてください。
「言語を超える力」の最初のブログ記事
最初の「言語を超える力」、元「エオルゼア翻訳」を作りたいと思ったキッカケは、ヒルディのクエストのスタッフロールだったようです。
この話は今でも覚えていて、実際、現在の言語を超える力のデータにもタグ付けして入れています。
この文字は多くの場所で見られるエオルゼア文字とは違って、飾り文字になっています。そのため特に難読になっています。ただその頃の私は難読というよりも、エオルゼア文字というものを最初のキッカケがここだったように思います。
だって、スタッフロールで流れているのに文字が読めないなんて悔しいじゃないですか。文字を読みたい!なって書いてあるか知りたい!と思ったのが最初です。
アプリ名を「言語を超える力」にしようとしたのはその後の話です。
名前の重要性
キャッチコピーを考えてみた
一時期、Twitterの固定ツイートにしていたツイートはこちら。今でも固定ツイートのスレッド内に入っています。
「誰でもエオルゼア文字を読める世界を!」
— ゲレの工房 (@gelehrte_crest) 2020年5月31日
「 #言語を超える力 」というアプリを制作しています#FF14 のSSからエオルゼア文字を英数字に変換します
現在アプリ開発のためにエオルゼア文字が入っているSSを募集中#言語を超える力でこのSS読んで
もしくは#languageecho_testSS
でレスお願いします pic.twitter.com/RPzWZ1yKX5
「誰でもエオルゼア文字を読める世界を!」
実はこの短い文字数にやりたいことをまとめるのに、ものすごい時間をかけて考えたのを覚えています。もちろん「言語を超える力」というアプリ名もかなりの時間を考えて作りました。短い言葉で自分のやりたいことをまとめるのは重要ですね。特にTwitterの140文字でやりたいことをまとめるのも大変でした。このツイートは、今までつぶやいたツイートの中でも秀逸だと思っています。みんな拡散していいよ!
悪戦苦闘の日々
1. Androidアプリ・iOSアプリ化しようとしていた
アプリであれば実際動作するだろうということで開発を進めていた記録が残っています。
カメラアプリを作って加工して、それをサーバー上の機械学習するシステムに送信して処理するという流れでした。
blog.gelehrte.com
別れの物語展でオルシュファンの石碑の写真を撮りに行った話
リアルイベントでオルシュファンの石碑にエオルゼア文字がはっきりと書かれていることを知り、実際に行って写真を撮りに行った記録が残っています。
blog.gelehrte.com
懐かしいですね。ただ精度が本当に出なくて、困りました。
2. 幾つかのクラウドサービスを試してみた
IBMやAWSの機械学習システムを試したこともあります。
ただこれらのサービスは一部中止されたり、高額化されたりと諦めたという問題がありました。流石に1ヶ月1000万円のコストは払えません。
3. フォントを作り始めた話
そもそもやりたいことは何だろう?ということに立ち止まった話があります。要するにやりたいことは、FF14の文字とリアル文字との垣根を相互に超えたいということだと認識しました。そこで「言語を超える力」はFF14の文字から英数字への、「ゲレフォント」は英数字からFF14の文字へと考え始めました。ある意味割り切りです。
4. FF14文字対応表も、ある意味「言語を超える力」作業の一環
機械学習に頼らずとも、対応表さえあれば翻訳できるんじゃないかと考えました。ここも試行錯誤の時代ですね。
blog.gelehrte.com
ネットプリントで印刷できるようにしたりもしました。このネットプリントで出来る対応表は、今はBOOTHで無料でPDF配布しています。
gelehrtecrest.booth.pm
完璧ではないので、もう少し対応表が充実したらネットプリント対応させてみたいですね。
5. 「Object Detection API」との出会い
このAPIは2020年頃に公開されたようです。ですが私が気づくのが遅く、2022年になって知りました。それがかえって良かったのか、多くの人が触った結果、使い方などをブログで公開している人がたくさんいました。
6. サーバーレスでの実装により、低価格で維持できるWebサービス化に
Androidアプリ・iOSアプリ化しなかったことも低価格にできた一つの理由です。アプリ公開に関する費用を削ることができました。
7. サーバーレスシステムの実装に苦戦
結構時間かかりました。出来ることがわかっていただけに心の負担は少なかったのですが、やはりシステム開発に時間がかかりました。
現状報告
動作が重い
サーバーレスの欠点として、メモリに機械学習のデータを保持することができず、どうしても判定に1,2分かかります。それでも、低価格で一応動作出来ることが重要なので、すごく楽です。
自宅PCの処理を減らせた
外部サービスでテストできるようになったので、PCが重くなくなりました。具体的に言えばFF14しながら言語を超える力が動かせるようになりました。
今後の予定
データを増やす
どうしてもデータが足りないので、ひたすらデータ作成が必要になります。もし可能であれば機械学習に追加出来るデータを他の人にも手伝ってほしいですが、結構準備が必要なので、今は考えていません。
仲間を増やす
先程も書いたツイート。自画自賛ですがこれは名文だと思っています。
「誰でもエオルゼア文字を読める世界を!」
— ゲレの工房 (@gelehrte_crest) 2020年5月31日
「 #言語を超える力 」というアプリを制作しています#FF14 のSSからエオルゼア文字を英数字に変換します
現在アプリ開発のためにエオルゼア文字が入っているSSを募集中#言語を超える力でこのSS読んで
もしくは#languageecho_testSS
でレスお願いします pic.twitter.com/RPzWZ1yKX5
この文章は、協力者や仲間を増やすこと、自分の活動を知ってくれる人を増やすためのものではあります。
他の人が実際に「言語を超える力」を使った場合のデータが欲しい
協力者を募る一番の目的が、実際に使う人がどのようなスクショをデータに入れるかを教えて欲しいということです。なので引き続き仲間を募っていますし、ハッシュタグでの募集も続けます。
twitter.com
新しい技術を見つける
枝葉を広げて、もっとより良い技術が無いかを探し続けます。他人の力も借りるのです。
データ入れを続ける
これは日々の作業として続けます。
Web版言語を超える力のバグ取り、使い勝手向上
自分で使って、自分でフィードバック出して、自分で直す。自分自身が一番のユーザーになることがとても大切だと考えています。
終わりに
Web版をβとしてですが公開できたのがとても嬉しいのです。このアプリを作りたいといい出してから5年が経ちました。なんというか執念ですかね。
今後も引き続き活動を続けたいと思います。またこのブログを拡散していただけるととても喜びます。